

今回はPIVOTさんのYoutube「【宮台真司のタワマン幸福論】タワマンに住んでも幸せになれない」のコメント(※2024年4月現在)を、”STP分析風”のフレームワークを使って分析しました。
分析を進めていくと、コメントユーザーの個人主義と集団主義の切り口から見える幸福に対する考え方が見えてきました。
今回は様々な「個人と集団と幸福への考え方」をもとに、それぞれのユーザーに対してどのようなメッセージやコミュニケーションをとることで、そのユーザーの幸福に対する考え方を強化することができるかを考えていきます。
最後まで見ていただけたら幸いです。
今回の分析テーマは「個人と集団と幸福への考え方」について
今回の分析は動画へコメントをしているユーザーの特性を分析した過程で出てきた「個人主義と集団主義の切り口から見える幸福に対する考え方」をもとに、それぞれのユーザーに対してどのようなメッセージやコミュニケーションをとることで、そのユーザーの幸福に対する考え方がより強化できるのかのアイデアを作成することを目的とします。
分析の方法



AIにコメントデータを読み込ませながら、STP分析風の要素を使って、分析をしていきます。ざっくりですが分析方法は以下です。
- コメントしているユーザーの全体的な特性を分析
- コメントしているユーザーの特性などから独自のX軸とY軸を設定
- X軸とY軸をもとにユーザーを4分割のカテゴリで分類
- 各カテゴリの特徴を分析
- 各カテゴリに対して、どのようなアプローチを実施すれば、目的を達成できるかを作成
実際のSTP分析とはかけ離れている部分がありますが、要素を拝借し、ターゲットごとにどのようなアプローチを実施していけば良いのか分析していきます。
分析する動画の概要
今回、分析させていただく動画の内容を簡単に要約します。
まだ視聴していない方は是非、もとの動画も視聴してみてください。
- 🏙️ タワーマンションの暮らし
高層のタワーマンションに住むことについて議論。利便性と孤独、スキル低下の問題が生じることが指摘されている。 - 🌄 地方への移住
地方移住は予想外の困難があり、行かない方が良いと考える人もいるが、自分に合った場所で生活する価値を見出す人も。 - 📉 日本人の社会的課題
日本の若者の社会変革への意欲が低いこと、また日本脱出というムードがあることが語られる。 - 🏦 資産運用と自立
経済的自立としての資産運用の重要性が強調され、それが生活の選択肢として現れている。 - 🤝 家族との関係
家族との繋がりが強調され、絆の重要性とそれに付随する問題が語られる。 - 🌐 社会と個人の価値観
個人が自らの幸せと価値観をどのように定義するかが重要であるとされる。日本の文化や社会における家族観、仕事観、結婚観が変化しているとの指摘。
コメントユーザーは「社会的な期待と個人の価値観の間で葛藤」を感じている





コメントしているユーザー全体としてどのような特徴があるかをAIを使って分析した結果、コメントユーザーの多くは「社会的な期待と個人の価値観の間で葛藤」していることがわかりました。
詳細を見ていきましょう。
哲学的・心理学的な内容に対する高い関心
- 多くのコメントは、幸福とは何か、個人の自由と社会の期待とのバランス、個人主義と集団主義の対立など、深い哲学的または心理学的なテーマを掘り下げています。
自己実現と自己反省に重きを置いている
- コメントからは、多くのユーザーが自己の内面と向き合い、自分自身の幸福について真剣に考えている様子が窺えます。
現代社会と個人の位置づけに対する批判的思考
- コメントの中には、現代社会の価値観や幸福に対する一般的な定義に疑問を持ち、批判的に考察するコメントが目立ちます。
- これは、社会的な期待と個人の価値観の間で葛藤を感じているユーザーが多いことを示しており、彼らは社会の枠組みを超えた新しい幸福の形を求めている可能性があります。
- コメントユーザーは全体として、哲学的・心理学的な内容に高い関心を持っている。
- その中でも、現代社会の価値観や幸福に対する一般的な定義に疑問を持ち、社会的な期待と個人の価値観の間で葛藤を感じているユーザーが多いようです。
続いて、これらのユーザーをさらに分類してみます。
カテゴリ分類のためのX軸は「個人主義の強調度」Y軸は「集団主義の強調度」
STP分析のように、まずはX軸とY軸を決めて、それをもとにセグメンテーションし、カテゴリを作成します。
- コメントの内容やトーンからユーザーの特性を読み取る
- それをX軸とY軸に落とし込んでみる
今回の分析では、幸福論に対して社会的な期待と個人の価値観の間で葛藤を持つユーザーが多いことから、コメントから抽出できる2つの重要な属性として
X軸を「個人主義の強調度(自己実現や自由を重視)」
Y軸を「集団主義の強調度(社会の調和や義務を重視)」
と定めて分析を進めていくことにしました。



これらのX軸とY軸を図にするとこのような感じになります。


X軸:個人主義の強調度(自己実現や自由を重視)
自己実現や個人的自由を非常に重要視しています。彼らは自分の内面的な目標や個人的な成長、自由を追求することに焦点を当てており、自己表現や独立性を尊重します。
自己実現や個人的自由よりも他の価値を重視していることを示します。彼らは自己よりも集団や他者との関係、または他の社会的価値観に価値を置くことが多いです。
Y軸:集団主義の強調度(社会の調和や義務を重視)
社会的な調和や義務を非常に重要視しています。彼らは自己よりも社会全体の利益や集団の目標を重んじ、協調や共同体の一員としての役割を大切にします。
社会的な調和や義務よりも他の価値を重視しています。彼らは個人の自由や自己実現を優先し、社会全体やグループとしての期待よりも個人の選択や自由を重要視する傾向にあります。
カテゴリ分類は「個人主義の強調度」×「集団主義の強調度」での組み合わせ
では次に、これらX軸とY軸に基づいて、4つのカテゴリにセグメンテーションしてみます。
セグメンテーション後に各カテゴリの特徴と、どのくらいの割合で存在するかをざっくりと出してもらった結果がこちらです。





それでは、ひとつひとつのカテゴリを見ていきましょう。
1、バランス幸福型





個人の自由と社会的責任は両立可能だ。自分自身を成長させながら、社会にも良い影響を与えることが理想的な幸福の形だ。
- 個人の自由と社会的責任のバランスを求める
- 自己実現と社会的調和の両立に関心が高い
- 総合的な視点で問題を考える能力
2、社会貢献幸福型





個々人の幸福も大切だが、それが社会全体の調和にどう貢献するかがもっと重要。私たちは共同で幸せを築く責任がある。
- 集団の利益や社会規範を尊重
- 社会的調和と義務感に動機づけられる
- コミュニティやグループ活動への強い関与
3、自己実現幸福型





個人が自由に自己実現を追求することが、真の幸福につながる。社会の枠にとらわれず、自分の道を切り開くことが大切だ。
- 自己表現と個性の追求を重視
- 社会の期待よりも個人的な目標と幸福を優先
- 独立した思考と行動が顕著
4、省エネ幸福型





大事なのは、大きな理念よりも日々の小さな幸せ。シンプルな生活と実用的な解決策が最高の幸福をもたらす。
- 社会的な期待や個人的な自己実現よりも、実用的な生活の質の向上に関心
- 現実的な幸福の追求に焦点を置く
- 実用的なアドバイスや具体的な解決策を好む



「個人主義の強調度」と「集団主義の強調度」で軸分けをしました。
今回の軸分けで使用している「個人主義」は個人にフォーカスという意味合い以外にも自己実現に向けて頑張るなどの本来よりも広義となっているため、ご了承ください。
また、個人主義の強調度が高い=集団主義の強調度が低いというように個人と集団を対比として置くのではなく、あくまで独立した軸として考えていく部分が少しユニークなところかもしれません。
では次にカテゴリごとのアプローチを考えていきましょう。
各カテゴリの「幸福に対する考え方を強化し、より幸福を目指す」ためのアイデア
最後に各カテゴリに対して、幸福に対する考え方を強化し、より幸福になるためには、どのようなメッセージやコミュニケーションをとればよいのかを考えていきます。
各カテゴリに対して、コミュニケーションの基本戦略を考えたあとに、その戦略に沿ったコミュニケーション案を3つずつ作成していきます。
バランス幸福型には「個人の達成感と社会的な役割の重要性を結びつける」


バランス幸福型
個人主義の強調度が高い
×
集団主義の強調度が高い
バランス幸福型は、自分の成長と同時に社会に対してもポジティブな影響を与えることに価値を見出しているため、個人の達成感と社会的な役割の重要性を結びつけることが幸福感を増すキーとなります。
- あなたの成功は、社会貢献へ繋がっています。個人として成し遂げたことが、私たち全員にインスピレーションを与えています。
- あなたの努力が実を結び、周囲にも良い影響を与えています。自分自身の成長と同時に、コミュニティを豊かにしていることを誇りに思ってください。
- みんなで力を合わせれば、困難も乗り越えられます。あなたの能力と情熱が、チーム全体を前進させる力になっています。
社会貢献幸福型には「集団の一部としてのアイデンティティと連帯感」を強調


社会貢献幸福型
個人主義の強調度が低い
×
集団主義の強調度が高い
コミュニティの一員としての役割と責任を強調し、個々の行動が持つ社会的な影響を明確にし、共同体への積極的な参加と貢献を促すことで、集団の一部としてのアイデンティティと連帯感を感じることが重要です。
- あなたの一つ一つの行動が、私たちのコミュニティを豊かにします。今日、何か新しいことで貢献してみませんか?
- あなたの声が重要です。コミュニティの問題に声を上げ、解決の一翼を担いましょう。
- 一緒に力を合わせることで大きな変化が起こせます。あなたの参加がコミュニティを変える力になります。
自己実現幸福型には「個人の自由と自己決定の重要性」を強調


自己実現幸福型
個人主義の強調度が高い
×
集団主義の強調度が低い
個人の自由と自己決定の重要性を強調し、自分の価値観に基づいて決断を下すことを奨励します。これにより、自己実現と独立を追求する彼らの動機付けが強化され、自己効力感を高めることができます。
- あなたの人生はあなたのもの。今日、自分のために一歩を踏み出してみませんか?
- あなたの自由を大切に。自分自身で選び、自分自身で決める。それが真の自立への道です。
- 何があなたを動かすのかを見つけ、その情熱を追求しましょう。あなたの情熱が最高の成果を引き出します。
省エネ幸福型には「個人の興味や日常的な活動の奨励」が重要


省エネ幸福型
個人主義の強調度が低い
×
集団主義の強調度が低い
省エネ幸福型は大規模な社会的な取り組みや強い個人主義的な追求よりも、実用的で日常的な活動での達成感や安心感を重視する傾向があるため、個人の興味や日々の活動に価値を見出し、小さな目標を達成することで自己効力感と幸福感を高めることを奨励することが重要です。
- あなたの趣味はあなたを特別にするものです。自分の好きなことに時間を使うことが、最も大切な時です。
- 心と体をリフレッシュする時間を大切にしてください。リラクゼーションは、明日への活力を与えてくれます。
- 自分のペースで進むことは、何も悪いことではありません。自分に合った方法で目標に向かっていけばいいのです。
タワマン幸福論のYoutubeコメントを分析したら、個人と集団という観点からの様々な幸福論が見えてきました。
この動画を視聴したユーザーを分析したら、個人と集団という観点からの様々な幸福論が見えてきました。
動画内では普遍的な不幸にならない普遍的な近道として、孤独にならないことが挙げられていましたが、
自分が何に幸福感を感じやすいのかを知ることは、より充実した人生を歩む上で重要なことかもしれません。
今回の分析においては「個人」と「集団」を対比にせず、独立した軸として進めたことで、「低個人主義」×「低集団主義」を自己実現や集団への貢献も望まない省エネ幸福型と定義付けたのは興味深かったです。
分類した4つのカテゴリへメッセージの中で、共感できるメッセージを探していただき、自身の幸福論構築の参考になれば幸いです。



今回の分析はここまでとなります。
最後まで、見てくださりありがとうございました。