

こんにちは!
今回は、以前、分析したPIVOTさんのYoutube「【落合陽一のシンギュラリティ論】シンギュラリティは2025年に来る」が約200万回再生(2024年5月現在)されている理由をコメントからジョブ理論を用いて分析していきます。
分析方法と考察やジョブ理論について



AIに口コミデータを読み込ませながら、ジョブ理論の観点で分析を進めていきました。
また、今回の分析で使用するジョブ理論についても簡単に説明いたします。
動画の内容とデータの参考情報
今回、分析させていただく動画、「【落合陽一のシンギュラリティ論】シンギュラリティは2025年に来る」の内容を以下に簡単に要約しました。まだ視聴していない方は是非、もとの動画も視聴してみてください。
分析に用いたのはこちらの動画の約1,500件以上のコメントデータとなります。
- 人間より賢いコンピューターが多く出現し、約25年後にシンギュラリティが到来すると予測されていたが、その現象は予想よりも早く、再来年には現実化する見込み。
- 人間の理解速度では追いつかないほどコンピューターの進化が続いている。
- 進化するテクノロジーにより、何をすれば良いかわからない人が増加し、専門職やホワイトカラーの仕事が減少する可能性がある。
- デジタルネイチャーとは、自然界とデジタル世界の融合を指し、この領域の研究が今後の進化の鍵を握っている。
- 科学と技術の急速な進化により、昨日と今日で技術が進歩し、人類の世界理解が追いつかない状態になっている。
分析と考察の手順
- コメントデータをAIに読み込ませる。
- コメントデータから視聴者が動画を見ることで解決したかった「ジョブ」を「機能的ジョブ」「感情的ジョブ」「社会的ジョブ」で作成し、リスト化する。
- 似たような「ジョブ」をグルーピングし、それぞれのカテゴリーに名前をつける。
- グルーピングした各「ジョブ」について、再生数に影響を与えた順番で順位をつける。
- 再生数に影響を与えた「ジョブ」の順位の理由を考察
ジョブ理論とは
ジョブ理論は、イノベーションに関する理論の一つで、クレイトン・クリステンセン教授が提唱しました。
この理論は、顧客は商品そのものを買っているのではなく、商品を通じて達成したい「ジョブ」(仕事)を「雇っている」とする理論です。
例えば、ドリルを購入する顧客は、ドリルそのものが欲しいのではなく、「壁に穴を開ける」というジョブを成し遂げるためにドリルを雇っているという考え方となります。
従来のマーケティングが「商品の機能や性能」に注目するのに対し、ジョブ理論は「顧客が達成したい仕事」に焦点を当てるのが特徴です。顧客のジョブを理解することで、真に求められている価値を提供することができます。
また、ジョブ理論には「機能的ジョブ」「感情的ジョブ」「社会的ジョブ」の3つが存在します。
「機能的ジョブ」とは、製品やサービスの機能によって解決したい課題のことを指します。「感情的ジョブ」は、購買や使用体験を通じて得たい感情であり、「社会的ジョブ」は、他者からどう見られたいか、あるいは見られたくないかに関連する目的を表しています。
ジョブ理論について詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。


今回はこのジョブ理論も使って、分析を進めていきたいと思います。
コメントユーザー全体の特性



口コミデータからジョブを見出していく前に、まずは、データから見えるユーザー全体の特性を見ていきましょう。
- 技術への高い関心
-
ほとんどのコメントは、直接的または間接的に技術、特にデジタル技術やAIの進化に関するものであり、これらのトピックに対する高い関心を示しています。
- 未来への期待と不安
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技術の進歩に対して楽観的な見方をするユーザーと、潜在的な社会的、倫理的な影響に対する懐疑や不安を持つユーザーという、二極化した意見が見られます。
- クリティカルシンキング
-
技術に対する盲目的な受け入れだけでなく、批判的に考え、その利点と欠点を考慮しながら意見を述べるユーザーがいます。このようなクリティカルシンキングは、技術論議の健全性を保つ上で重要です。
シンギュラリティ論のYoutubeが約200万回再生された9つの理由





今回の分析では、約1,500件のコメントデータから、90個のジョブが抽出され、それらを整理した結果、9つのジョブのグループに分類することができました。
これら9つのジョブグループが動画を再生した理由や要素となり得ると考えられます。
また、これら9つのジョブグループに対して、再生数に影響を与えた順番で順位付けし、1位から順番に並べました。
9つのジョブグループ内に内包される90個のジョブの内、各ジョブのグループにおける「機能的ジョブ」「感情的ジョブ」「社会的ジョブ」もまとめましたので、クリックして見てみてください。
1. AI時代への不安解消と対策
AIがもたらす変化への漠然とした不安や、仕事がAIに取って代わられるのではないかという具体的な懸念は、多くの人に共通する切実な問題です。この動画がそれらの不安を和らげ、対策を提示したことが、多くの視聴者を惹きつけた主要因だと考えられます。
機能的ジョブ
- 自分の仕事がAIに代替されるリスクを把握したい
- AI時代に必要なスキルや知識を知りたい
- AI時代に生き残るための方策を探したい
- 自分の仕事や生活にどのような影響があるか知りたい
- AI時代に備えて学ぶべきことを知りたい
感情的ジョブ
- 漠然とした将来への不安を和らげたい
- AIがもたらす脅威に対する恐怖心を解消したい
- テクノロジーの急速な進歩についていけるのか不安を感じている
- AI社会で自分の居場所はあるのか不安を感じている
- 将来のビジョンを描けていない不安がある
- AIによって仕事を失うかもしれない恐怖心がある
- 急速に変化する世の中に取り残される不安がある
- なんとなくの不安を解消して心を落ち着かせたい
- AI時代を生き抜く自信を得たい
- AIに仕事を奪われるのではないかという恐怖心を払拭したい
社会的ジョブ
- なし
2. 最新のAI技術動向の理解
AIに関する知識不足を感じている人が多く、最新の技術動向を理解したいという欲求は強かったと思われます。この動画が、第一人者による最新の技術トレンドの解説を提供したことが、多くの視聴者を引き付けたのでしょう。
機能的ジョブ
- シンギュラリティについて理解を深めたい
- AI技術の現状と将来の可能性を知りたい
- 最新のAI技術の実例を知りたい
- デジタルネイチャーという概念を理解したい
- 具体的なAI活用事例から実践的な示唆を得たい
- AIによる音楽や絵画制作の可能性を知りたい
- 技術トレンドをキャッチアップしたい
- 自分の知識をアップデートしたい
感情的ジョブ
- 知的好奇心を満たしたい
- AI技術の進歩スピードを実感したい
社会的ジョブ
- なし
3. 知的欲求の充足
AIという最先端のトピックについて、深い洞察とわかりやすい解説を提供したことが、知的好奇心の強い視聴者を引き付けました。専門的な内容を平易に説明する点が、幅広い層の知的欲求を満たしたと言えます。
機能的ジョブ
- 異分野の最先端の知見を得たい
感情的ジョブ
- 知的な刺激を得て、知的欲求を満たしたい
- 知的好奇心を刺激されたい
- 専門外の最先端の話題に触れてワクワクしたい
- 難解な内容を理解できた達成感を味わいたい
- 知識欲を満たしたい
- テクノロジーの可能性にワクワクしたい
- 時代の最先端を理解している充実感を得たい
社会的ジョブ
- なし
4. 社会の変化の予測と対応
AI時代の社会の変化についての具体的な予測と、それへの対応策は、多くの人の関心事だったと考えられます。この動画がそれらを提示したことが、視聴者の興味を引いた要因の一つでしょう。
機能的ジョブ
- 近い将来、社会がどう変化するか予測したい
- 技術の進歩によって世の中がどう変わるかを大局的に捉えたい
- 専門家の予測を参考にして将来を展望したい
- ホワイトカラーの仕事がどう変化するかを予測したい
- テクノロジーの進化に伴う社会課題を理解したい
- 抽象的な未来予測ではなく、具体的な未来像を知りたい
感情的ジョブ
- なし
社会的ジョブ
- なし
5. 無知の解消と劣等感の払拭
AIについての無知を感じ、劣等感を抱えている人は多かったと思われます。この動画が、わかりやすい解説と体系的な知識の提供を通じて、そのような人々のニーズに応えたことが、再生数の増加に寄与したはずです。
機能的ジョブ
- なし
感情的ジョブ
- 無知な自分を変えたいというコンプレックスがある
- 自分だけが知らない話題についていけない焦りを感じている
- 話題のAIブームに乗り遅れまいとする焦りがある
- 最先端のトレンドから取り落されたくない
- AIという難しい話題について理解できない自分に劣等感を感じている
- 世界の潮流を理解できていない焦燥感がある
- 知らないことへの恐れを乗り越えたい
社会的ジョブ
- 無知な人間だと思われたくない
- AIについて無知だと馬鹿にされたくない
- 友人たちよりも先んじてAIについて理解したい
- AIについての会話の中で恥をかきたきない
- バカな質問をしてAIのことを何も知らない人間だと思われたくない
- 他人から時代遅れだと思われたくない
- AIを理解できない人間は時代に乗り遅れていると思われたくない
- AIについて語れない自分を情けないと思われたくない
6. 周囲からの評価の向上
AIについて議論できるようになりたいという欲求は、一定の層に共通するものだったと考えられます。この動画が、最先端のトピックについての理解を深める機会を提供したことが、そのような視聴者を引き付けた要因でしょう。
機能的ジョブ
- なし
感情的ジョブ
- なし
社会的ジョブ
- AIについて会話できるようになりたい
- 最先端の話題について人に説明できるようになりたい
- AIの知識があることでカッコいいと思われたい
- デジタルネイチャーを理解しているインテリだと思われたい
- AIの基礎知識は社会人として身につけておくべきだと思っている
- 知的な会話に参加できる人間でありたい
- 最先端の知識がある人間として尊敬されたい
- AIを利用して効率的に仕事をこなせる有能な人間だと思われたい
- テクノロジーの知識が豊富な人間だと評価されたい
- 学歴コンプレックスを最先端の知識でカバーしたい
- どんな話題でも会話についていける教養人でありたい
- 高学歴の人たちに引けを取らない知識人だと思われたい
- AIを活用できるリーダーだと部下に思われたい
7. 子育てへの示唆
AI時代の子育てへの不安は、特定の層に強く認識されていた問題だと思われます。この動画が、それらの不安に対する実践的な示唆を与えたことが、再生数の増加に一定の影響を与えたと考えられます。
機能的ジョブ
- 自分の子供の将来のキャリアを考えるヒントを得たい
- 子供の教育方針を考える材料を得たい
- プログラミングなどのAIスキルを身につける必要性を理解したい
感情的ジョブ
- 子供の将来が心配でモヤモヤしている
- 子供に良い教育を与えられるか不安である
社会的ジョブ
- 子供の将来について、親として無知だと思われたくない
- 無知な親だと子供に思われたくない
- AIの話題で子供に意見を聞かれた時に答えられないのは恥ずかしい
- 子供に尊敬される親でありたい
8. ビジネスチャンスの探索
AI時代のビジネスチャンスに関心を持つ視聴者は、相対的に限定的だったかもしれません。ただ、この動画が具体的なビジネス活用の事例を提供したことが、一定の視聴者を引き付けた要因だったでしょう。
機能的ジョブ
- AI時代のビジネスチャンスを探したい
- AI活用によるコスト削減や効率化の可能性を探りたい
- イノベーションを起こすための考え方を学びたい
- 自分の仕事や業界の行く末を占いたい
感情的ジョブ
- なし
社会的ジョブ
- AIで一儲けしたいと思っているが、知識不足を指摘されたくない
9. 前向きな姿勢の獲得
AI時代への不安を和らげ、前向きな姿勢を促すことは、この動画の副次的な効果だったと思われます。ただ、そのような効果を期待して視聴した人は、相対的に少なかったのではないでしょうか。
機能的ジョブ
- なし
感情的ジョブ
- 未知の領域に踏み込む勇気をもらいたい
- 将来への希望を持ちたい
- AI時代を楽観的に捉えるポジティブな気持ちになりたい
- AIをチャンスと捉えるポジティブマインドを持ちたい
- 最先端の知識を身につけることで自信を得たい
社会的ジョブ
- なし



以上、今回はPIVOTさんのYoutube「【落合陽一のシンギュラリティ論】シンギュラリティは2025年に来る」が約200万回再生(2024年5月現在)されている理由をコメントからジョブ理論を用いて分析してみました。
最後まで、見てくださりありがとうございました。